さて、今日はコロナワクチンの開発について書きたいと思う。
主に国内にスポットを当てて、現在の治験の進行状況、対応する銘柄の株価分析、今後の考察などをしていきます。
そもそもワクチンの治験とはどういう段階があるのか?
コロナウィルスの感染が世界中でいまだに落ち着きを見せておらず、一日も早いワクチンの開発が望まれています。
どこまで進んでいるのか?というのを分析する中で、まずどういう段階を踏んで、ワクチンが完成したよ!って世間に送り出されるのか。
それについてまずまとめてみる。
一般的に治験の段階というのは3段階あるとのこと。
第1段階
少数の健康な対象者に、薬の量を少量~徐々に増やしながら、安全性を調べる。
また、体内での薬の吸収・排泄時間も調べる。
↓
第2段階
少数の患者に協力してもらい、薬がどのくらい効くかと、どのような副作用が出るかを調べる。また、使い方(投与する量・服薬間隔など)もどうするとより効果が出るかも調べる。
↓
第3段階
多数の患者に協力してもらい、最終的に薬の効果と安全性について確認する。
↓
承認され、流通。
というのが一般的な流れのようです。製薬を元に調べたけど、3段階あるのはワクチンも同様で、第3段階を最終の大規模治験 と位置付けているのであまり変わらないかと思う。
これはお金も時間もかかるわけだね。治験の対象になる人だって募集しなくちゃいけないし、投薬の効果や副作用が出るかどうか経過観察等も必要だから、すぐにどんどん次のステップには行けないだろうしね。
さてそんな中、現状の各国の進行状況についてまとめの記事がありました。

記事によれば、アメリカ・イギリス・中国・ドイツは第3段階に入っているようです。
国内の治験状況についても書いてあるが、今回は国内では治験が進んでいる1.2番手であろうアンジェスと塩野義製薬にスポットを当てて分析していきたい。
アンジェスの治験状況と株価。
まずはアンジェスから。
国内ではかなり前から株価の上昇、暴落でマネーゲーム化してた意味でも銘柄名は有名であるが、記事を見る限り国内では一番治験状況が進んでいるのではないかと思う。
最初にワクチンで話題になった銘柄なイメージあるしね。
昨日出したIRで、現状で第1・第2段階の少量での接種が完了。
現在、高用量での接種を行っており、初期的な試験結果公表は2020年秋頃を予定とのこと。
これを見る限り第1と第2を並行して治験進めるっていこともできるようだ。
うまくいけば秋ごろから第3段階に入れますっていう風に考えていいのかね、だとしても第3段階は対象者が多いから、その分人の持病や環境によって、これまでになかった副作用が出たりとか、問題面も多く出るかもしれないから時間が一番かかりそうなイメージある。
そう考えると年内はやはり国内では難しいのではないかなと正直これを読んで思った。
さて、株価はどう反応したか。


7/22の1日足。
先ほどのIRが出たのが前場終了頃。プラスの材料かと思いきや後場はむしろ売り先行。
正直自分にはなぜなのかよくわかりません(笑)
まだ少量だけだし、高用量発表も秋で投資家が想定したよりも先であったことで失望売りが出たのか、もしくは材料がなくても出来高があるのでマネーゲーム化しているのか。
そもそも元々仕手株なので後者のが可能性高そうだと個人的には思う。出来高も高いしね。
どうであれ今国内でワクチン治験が一番進んでると思われるので、このまま第3段階に最初に入れれば株価はまたものすごいことになるだろうね。
塩野義製薬の治験状況と株価
続いては塩野義製薬。
言わずと知れた大手国内製薬会社だけど、コロナワクチン関連の話題で名前を聞いたのはわりと最近な気がする。
治験状況は子会社のUMNファーマが独自に確立したウイルス・昆虫細胞を用いたたんぱく質ワクチンを開発中。
現在は、いくつかのワクチンについて、免疫原性の評価中で20年内の臨床試験入りを目指している。
アンジェスと比べると治験段階は遅れてるけど、7/20に出したIRで翌日株価が上昇しました。
以下5日間の日足チャート。


塩野義は7/20に、2021年末までの生産能力をこれまでの計画の約3倍の年3000万人分以上に引き上げると発表。
開発段階からワクチンの生産強化を発表したことで、7/21の株価は寄り付きで前日比240円(3.8%)高まで上がった模様。
治験も始めてないのにそんなこと言って大丈夫なのか?と思わなくもないが、塩野義のような資源のある大手が本腰を入れて参入していくというのはとても心強い。
おそらくアンジェスが完成させても、どこと協力するにしろ生産数は塩野義の年3000万人には届かないと思う。
日本の人口が1.2億人いることを考えると、増産体制を取れる企業が他にも欲しいところ。国内生産だけでやったらざっくり3~4年かかることになるからね。
そうした体制を整えることで、海外のワクチンが回ってこない場合でも国産である程度まかなうことができると思うので、そうした体制作りの一歩目として塩野義の判断はとても素晴らしいと評価したい。
まとめ
自分は前からこのブログで書いてるけど、国産ワクチンの開発は必要不可欠だと思う。
アメリカやイギリスが最初に開発したって、当然生産分は自分の国の人から優先して打つのが当たり前だし、それが日本に回ってくるのを待ってたら数か月、下手したら半年~1年とかかかるかもしれない。
だからこそ国産のワクチンは絶対に不可欠である。たとえ何番手であれ、日本が自国民に優先して生産して打つことができる体制を作り上げることは絶対であると考えてます。
アンジェスはそもそも創薬ベンチャーだし、早くから取り組んでいたのもあって国内では先頭を走っているだろう。
だけど塩野義の方が人や資源など様々な要素で規模が大きいだろうから、もしアンジェスが完成させても増産数があまり見込めずという展開も大いにありうると思う。
そうした時に海外のワクチンだけでなく、国産でも増産できる役割を塩野義には期待したい。
なお、アンジェスやテラなどのコロナ関連のボラの大きいバイオ株は自分はウォッチしてるだけで楽しいので、商いには絶対入りません(笑)
塩野義はこれから治験が上手くいけば、魅力的だけど結果が出せなければ失望売りが出るだろうし、そもそも株価が高いので多分買いません。
いずれにせよ海外含め、1日でも早くワクチン治験がいい結果を出し、実用化に至るといいよね。
コメント