本日はトラスコ中山の優待廃止について見ていきたい。
トラスコ中山は機械工具を扱っている専門商社。
自社ブランド(PB)等も展開を強めており、業績も安定している会社です。
ではまず優待廃止から見ていきましょう、わりと知ってる人には驚きの内容だったのではないかと思う。
20年に以上続いた株主優待廃止を発表。
8/21、取引時間中に株主優待の廃止を発表しました。
平成6年に始めた優待制度を廃止するとのことで、業績はコロナで下げたとはいえCFも余裕があるのでまさかの廃止で予想外だった人も多いのではないだろうか?
25年以上続いた株主優待制度ですが、廃止の理由は優待商品費用が年々膨れ上がり、またその分をこれからの時代に対応するため物流設備や情報システムへの投資に回したい とのこと。
ここ4年間の優待へかかるコストがかかれていますが、年々結構な増加幅ですね。さすがに2億超というところでこれからも増えていくことを考えると厳しい というところだろうか。
『断腸の思いだが、廃止する』という表現がきちんと議論を重ねた上で出した結論であるというのがわかりますが、これだけ長い歴史を持つ優待制度が無くなったしまうのは残念な気持ちがありますね。
会社としてはこれからはその分を事業投資に回すことで事業の成長に繋げることで株主へ還元していきたいという方針ですね。
この会社はコロナ下でも業績はしっかり出してきている会社ですが、コロナ影響を理由に優待を廃止する会社が多い中、廃止のIRにはコロナのことは一切書かれていませんので、この通りの理由なんだろうね。
とても真っすぐで、素直なIR内容なので個人的には会社に対してはとても好感が持てます。
業績・財務状況
業績と財務状況について簡単に見ていきます。


4半期の業績。毎期安定してるのが一目でわかりますね。
20年4-6月はコロナの影響を受けて前年同期比と比べ減益にはなっているものの、通期計画の104億円に対する進捗率は61.0%に達し5年平均の50.0%も上回っているとのこと。
安定しているだけでなく、着実に成長をしていること、コロナの中でもちゃんと数字を出せる事業をやっていること がわかりますね。


財務についても安定していると言っていいと思う。
これだけなら優待費用2億くらい・・・と思う人もいるかもしれないけど、財務CFをプラスにしてまで投資に大きな金額を回しているので、物流センターの建替えや増築にかかる工事費、物流設備の増強、システムのリニューアル等にかかる支払いが大きいとのことなのだろう。
例年の実績を見る限り、投資した分はきちんと利益として結果を出しているビジネスモデルを構築していると思うので、ここはこれでよいのだと思う。
優待をなくした分を設備投資等に回してさらなる成長へ繋げるというのも信用が持てます。
24日月曜の株価について。
優待廃止のIR発表は8/21の取引中、13:00でした。
それを受けて8/21の後場の株価は、発表後に大きく下がったものの、その後終値に向けて少しずつ戻していき、終値は49円安の2509円と-1.92%の下げ幅で終了。
こんなものか?と思ったが、8/22のPTSでは更に下げ2450円台になってますね。
これは金曜の午後13時という時間に出したIRを、取引終了後に知った人が結構な層いるということなのかもしれません。
なので、そう考えると8/24月曜日もまだ下げは続くのではないかと予想しています。
コメント