本日はフロイント産業(6312)が決算を出したのでそれについて見ていく。
フロイント産業は、製薬会社向けの造粒・コーティング装置といった制約機械。他にも医薬品添加剤など化成品などをてがけるメーカー。
なおジャスダック上場の銘柄です。
まずは10/6引け後に発表された決算から見ていきます。
10/6引け後に決算を発表。
本日発表したのは第2四半期累計(3-8月)と6-8月期(2Q)です。

まずは第2四半期累計から。
営業利益は前年同期比で300万→2.5億と84倍
経常利益は前年同期比で600万円→2.7億と45倍
と数字的には相当なインパクトのある決算を出しています。ただし、見ればわかる通り、比較している前年があまりに悪すぎること。
そして2年前の業績に比べると大きく減益していること。
それらを考えるとこの数字を手放しに喜んでいいかは大きく疑問を感じます。
次は増益の理由ですが、こちらも不安要素があります。

2行目のラストあたりに、米国子会社が米国政府によるコロナ補助金約2.1万ドルを受け取ったとあります。
2.1万ドル=日本円で約2.2億 になります。
なので営業利益、経常利益のほとんどはこの補助金になるので、補助金がなければ前年同期とほぼ同じくらいの業績になります。
これは数字のインパクトだけ見てはいけないと思います。
成長性と財務について。
成長性と財務について軽く見ていきます。

正直伸び率は2017.2を最後に鈍化しているなという印象を受けます。
また決算資料でも述べられていますが、医薬品業界は薬価改定やジェネリック医薬品使用促進などの医療費抑制策の強化や、研究開発費の高騰と開発リスクの増大などへの対応をしなくてはならない。
また、ジェネリック市場においても、政府が進めてきた普及促進策の効果が一巡し、成長が鈍化することが予想されています。
と述べられています。
何か現状にない良い材料が出ないと見通しが明るいとは言えないですね。

財務状況もそこまでいいとはいいづらいところ。
営業益が減っているので、当然営業CFも悪くなりますし、財務CFもマイナスです。
現金比率も30%台から23%まで下落しています、これは良くないと思います。
明日の株価について。
少し上がるかトントンくらいかなと。
補助金で増益決算がほぼ出ているような感じではありますが、とはいえ結果として大幅増益には違いないのでこの補助金を活用して低迷している業績を回復できるという期待がどこまであるかというところがポイントになるかなと。
なおPTSは、725円+61円(+9.18%)
とかなり大きく上げていますが、個人的には業績、財務面から投資価値があるかは大きく疑問を感じます。
ただ営業利益84倍、経常利益45倍という数字のインパクトは相当大きいので、短期で入って抜けちゃう分にはありかもしれませんね。
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