久々にペッパーについて分析してみる
さて、本日は久々に銘柄分析を。
前回反響の大きかったペッパーフードサービス(3053)の上場廃止について現状と今後の予想について述べていきます。
ちなみに自分の結論から言うとこのままだとペッパーフードは2021年上場廃止の可能性があると予測しています、ですがあとで説明しますが今すぐの話ではありません。
理由についてはこれから述べていきます。
まずは前回の記事は以下です、読んでからの方が今回の話は分かりやすいと思います。
2020年第2四半期累計(1-6月)が出たことで2四半期連続の債務超過であることやコンサルを入れたこと、資金調達の話が出たことについて述べました。
その後どうなったのか、見ていきましょう。
第3四半期決算について
まずは11/13に発表された直近の第3四半期累計決算から見ていきましょう。

最終損益は33億円の赤字となっています。
また上場廃止基準にも関連する債務超過はBSによると2.4億円、これで3四半期連続の超過となります。
2Qが債務超過55億という数字だったことに比べれば劇的な改善をしたと一見思えますが、これはペッパーランチを売却し特別利益73.2億円を計上したのが主な理由であり、それでも超過は改善できていません。
特別利益の計上については以下で説明されています。
なお2Qまでの通期の見通しを同時に変更しています。

損益予測を元の1.3億円の黒字から一転して、38.5億円の赤字に大幅に下方修正しました。
この通りいくとどう考えても債務超過を解決するのは無理かと思われますが、資金調達策として新株予約券発行もやっているので見ていきましょう。
新株予約券発行で資金調達も、全然足りない?
以下は12/1に出た現在行われている新株予約権の行使状況になります。
なお今回は第11回と第12回がありますが、こちらは第11回です。
株価が下がっているため行使価格も次第に安くなっています。
8月ごろは300円代後半で行使されていましたが、現在では200円代後半、調達額がその分落ちているのがわかります。
11月の権利行使については、足してみたところ行使された予約数15430個ありました。
株価を行使日数の19日で平均したところ、242円となりましたので、11月の新株予約権による資金調達は3.7億円程度であることがわかりました。
この新株予約権行使、8月の半ばから行っていますが、第3四半期の資料には2020年10月31日現在で新株予約権行使により11.9億円確保できたとあり、これに11月分を足しても15.6億円。
修正が発表された見通し最終損益38.5億円の赤字の2分の1にも満たないです、ペース的に到底間に合いません。
これを見る限り2020年12月に債務超過を解消するのは現実的ではないのがわかります。
なお第11回の下限行使価格は208円ですので、その株価が見えてきているのもマイナスポイントかと思う。
とはいえ上場廃止はすぐではない
個人的な結論ですが、好調な子会社事業を売却・MSワラント、そこまでしての結果なので通常であれば東証上場廃止を回避するのはかなり難しいのではないかなと思います。
ですが、今年は状況がいささか違います。

以前の記事でも述べましたが、2020年3月に今年は通常は債務超過を1年間で解消できない場合は上場廃止となるが、新型コロナが原因の債務超過については2年間の猶予を設けるとされていますのでこれが適用されれば2020年12月決算に債務超過を解消できなくてもとりあえず上場廃止にはなりません。
今後のペッパーフードの業績について
今期見通しの下方修正については店舗の閉店や希望退職者への加算金などが織り込まれたうえでの数字ですが、これが劇的に黒字化するサプライズ要素が今のところ自分が調べた限りでは出てきません。
この数字を猶予期間内に回復させるためにも業績の回復は急務です。
ですが長い目で見ても個人的にはこのままの経営では客層を取り戻すのはかなり厳しいのではないのかなと考えてます、コロナが終われば客層は自然と戻る そういうレベルではないかなと。
要はコロナによる経営への打撃+業界の再編が同時にきているということ。
やっぱりステーキなど、他店の台頭などで『いきなりステーキ』のアイデンティティが完全に埋没してしまったので、そこを見出す経営戦略がないと1年あろうが今後の回復は厳しいと思います。
上場廃止どうこうより、事業自体が倒産するかって根本的な問題もありますしね。
ペッパーは12月締めの決算ですので、2月頃には数字が出てくると思いますがどのくらいの数字になるか。
個人的には株として買うつもりはないですが、今後どうなるか注目しているので、今後もまた当ブログでは取り上げていく予定です。
コメント